YAG溶接、水密溶接、ステンレス溶接、レーザー溶接などの各種金属加工は、株式会社ひかり

株式会社ひかり

電話 0766-23-0234  ファックス 0766-25-2257

YAG溶接、水密溶接、ステンレス溶接、レーザー溶接の技術情報

材料による切断

板金加工では、曲げ加工や溶接など様々な加工がありますが、まず加工する製品を材料から切り出します。製品によって材質や板厚は異なりますが、製品の加工に適した機器を選択、または組み合わせることにより色々な製品に対応することが出来ます。

 

レーザー加工機

CO2レーザーで加工します。ロットの少ない製品、また板厚の異なる材料でも金型等を製作しなくても加工することが出来ます。またレーザー自体の加工巾が細いため、複雑な形状を切り出すことが出来るので、自由度の高い加工が可能です。
切断面の直角も保ちやすく、後加工での加工、仕上げがしやすいのも特徴の一つです。
また、LC-3015 シータUはZ軸も制御できるため、3次元加工も出来ます。

※PSA窒素発生装置 ・・・・ 窒素を作る装置。導入によりクリーンカット等で使用する窒素を工場で内産しています。
※クリーンカット    ・・・・ 切断面を酸化させない切断。


  • FO-3015NT
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  • LC-3015 シータU
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プレス加工

1度の段取りで同じ物を多数製作することが出来ます。ロット数の多い製品の加工に適しています。また、熱による影響を受けにくいため、レーザーよりも熱歪が少ない加工が出来ます。
切断だけではなく、専用の金型を使用する事により、刻印や成型などの加工が可能です。


写真をクリックすると拡大します。

成型加工による皿穴
SUS304 t=1.2

溶接について

溶接についてのご説明

溶接作業

溶接(ようせつ)とは、2つ以上の部材を溶融・一体化させる作業です。

接着と異なる点は、母材(接合したい材料のこと)を物理的に溶かすことであり、母材を溶融する方法としては、熱、圧力などがあります。

接合箇所が分子レベルで連続性を持つのが溶接の特徴です。

主な加熱方法としては電気(電気抵抗)、アーク放電があり、また、ガス、プラズマ、電子ビーム(電子線)、レーザーなどで加熱することもありますが、コストや使い勝手の面から用途が限られています。

 

溶接作業スポット溶接

レーザー溶接について

レーザー溶接についてのご説明

アマダ製YLR-1500
アマダ製YLR-1500


YLA-1500操作風景

レーザーで溶接部を過熱する溶接を示します。

現在ではレーザー光源にYAGレーザーと、CO2レーザーを使うものがあり、YAGレーザーは光ファイバーが使えるので、産業用ロボットに取付けて使うことができます。

株式会社ひかりが使用しているアマダ製のYLR-1500もYAGレーザー溶接機です。特徴として、エネルギー密度が高く、制御もしやすいので、微小な溶接や精密な溶接に適しています。また、入熱量が少ないため、熱に対する歪が大きいステンレス鋼にも有効で常に深い溶け込みが得られます。

高融点の材料の溶接にも適していますが、材料の表面で反射される場合においては溶接できません。
また、シールドガスを使えば大気中でも溶接できます。

YAGレーザー溶接について

YAGレーザー溶接についてのご説明


赤マルをクリックすると拡大します。

YAGレーザー溶接はその溶け込みの深さから、水密や気密製品に使用が可能です。

YAGレーザー溶接自体では、ステンレス材で真空度マイナス9乗(Torr)の実績があります。(メーカー文献参照)

<参考>

静止衛星

約マイナス8乗Torr

スペースシャトル

約マイナス4乗Torr

ジェット機

約200Torr

また、YAGレーザー溶接は入熱量が少ないため、熱による歪も少なく板厚の薄い物の、溶接、水密溶接にも適しています。

YAGレーザー溶接

株式会社ひかりではYAGレーザー溶接、TIG溶接、CO2溶接などを組み合わせて
様々な気密、水密性の高い製品を製作しています。

 

水密溶接について

水密溶接についてのご説明


水密試験

水密とは、水が密閉され、水圧がかかっても漏れないようになっている状態。
また、その構造の事を言います。

 

YAGレーザー溶接の特性(歪について)

YAGレーザー溶接とTIG溶接との歪

金属は溶接などで熱がかかると膨張し、その後、冷却する時に収縮します。
その結果、熱がかかる前と比べると変形し、それを ”ひずむ” と言います。
(歪みの大きさは、母材の材質や板厚などによって様々です)

ここでは当社が使用しているYAGレーザー溶接機(YLR-1500)とTIG溶接機による歪みの違いを検証してみました。

YAGレーザー溶接とTIG溶接との歪実験の手順

1.ワーク 2.固定方法 3.溶接箇所
2枚のステンレス板を用意 2枚のステンレス板をクランプ 2枚のステンレス板を溶接
厚さ3mmのSUS304の板を
縦50×横300mmに切り出します。
  2枚の板をクランプで固定します。   2枚を突き合わせで溶接してみました。
         
4.溶接   5.溶接ビード    
    YAG溶接のビード写真   TIG溶接のビード写真
    YAG溶接ビード   TIG溶接ビード
    YAG溶接はロボットで、TIG溶接はリニアで一定の速度で溶接しました。
*各写真をクリックすると拡大します。

 

YAGレーザー溶接とTIG溶接との歪実験の条件

 

TIG

YAG

ワーク

SUS304
板厚3mm
50×300

SUS304
板厚3mm
50×300

固定方法

クランプ

クランプ

溶接箇所

突合せ

突合せ

加工速度

毎分40cm
(リニア)

毎分40cm
(ロボット)

YAGレーザー溶接とTIG溶接との歪実験の条件

YAG溶接とTIG溶接との歪みの比較

  1. YAG溶接後の歪み写真
    YAG溶接後の歪み約0.2mm
    *写真をクリックすると拡大します。
  2. TIG溶接後の歪み写真
    TIG溶接後の歪み約2mm
    *写真をクリックすると拡大します。

 

YAGレーザー溶接とTIG溶接との歪実験の条件

 

YAGレーザー溶接の特性(熔けこみについて)

1.溶け込みとは

溶け込みとは母材のとけた部分の最頂点と、溶接する面の表面との距離の事を言います。(溶け込み深さとも言います。)

YAG溶接部(右上:断面の拡大)

2.YAG溶接とTIG溶接のビード形状

YAG溶接とTIG溶接の熱影響の違い
 
YAG溶接の溶け込みは縦方向になります。
そのため熱影響が少なく、溶け込みの深い溶接が可能です。
  TIG溶接の溶け込みは横方向になります。
そのため、溶け込みを深くしようとすると、ワークに熱を加える時間が長くなり、熱歪が大きくなります。

 

3.曲げによる、破壊試験

”溶接の歪み”で作成したワーク(SUS304 t=3.0)をベンダーにて曲げ加工してみました。曲げ加工はビードの裏側から曲げました。

曲げ加工図

曲げ加工図

試験結果

 
 

画像をクリックすると拡大画像が表示されます。
 
ヒビ割れ等はなく 曲がりました。 
 
曲げ加工の途中で
溶接部がちぎれてしまいました 。
4. YAG溶接とTIG溶接の溶接部断面

溶接したワークの断面の比較です。YAG溶接の方がより深く溶け込んでいるのがわかります。

 

*写真をクリックすると拡大します。
 
*写真をクリックすると拡大します。
     
特性のまとめ

TIG溶接とYAG溶接は、それぞれに特性があります。
YLR-1500(YAGレーザー溶接機)はパルスYAGレーザーを使用した溶接なので、溶接箇所にかかる熱の広がりが少なく、その結果歪が少なく溶接できます。これが板厚の薄い物の溶接に適していると言われる要素です。
また、連続して長い距離を溶接することができます。(製品の例:パネル、カバー、精密板金製品など)

TIG溶接は応用範囲が広く、特に仕上げが必要なものや、溶接部の脚長を上げなければならないものに対して有効です。
スパッタの発生が無く、低ヒューム、美しいビート外観などの特徴があり、低電流から大きな電流まで広範囲で安定したアークが得られます。(製品の例:フランジの取り付け、製缶製品など)

このように各溶接を組み合わせることにより、様々な製品加工に対応する事ができます。

曲げ加工について

曲げ加工とは下型と上型と呼ばれる金型を用いて板材に荷重をかけ任意の角度に板材を変形させる加工です。
荷重t数やV幅(下型の溝の幅)、様々な形状の上型との組み合わせにより複雑な加工も可能です。
形状の複雑な製品や組み付け部品の多い製品の製作において特にこの曲げ加工の精度は製品の出来具合を左右する重要な要因の一つです。

*各画像をクリックすると拡大します


ベンダーによる曲げ加工
 
曲げ加工拡大図
 
BEND−CAM

曲げ加工の種類

角曲げ


1角曲げ
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L曲げ、V曲げとも呼ばれます。曲げ加工の中で1番オーソドックスなもので、組み合わせることで様々な曲げ加工に対応することが出来ます。

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コノ字曲げ
 
ハット曲げ
 
Z曲げ
特殊な曲げ

金型を使い分けることにより、様々な角度や形状の曲げ物を製作することができます。

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鋭角曲げ
 
へミング曲げ
各種ステンレスレール


SUS304-0.8t
 
SUS304-1.0t
 
SUS304-0.8t

 

 

曲げ加工の種類(材質と板厚)


板材は曲げ加工することにより、“伸び”が発生します。 “伸び”の数値は材質、板厚
(その他の条件)に応じて 変化しますが、過去実績を基に作成された当社独自の“伸び値”のデータを使いクラック(ヒビ割れ)等が入ることなく正確に加工することが出来ます。 また、荷重t数の違う各ベンダーや保有する金型 の組み合わせにより、様々な板厚、材質に対応することが出来ます。


曲げ加工でできたクラック (クリックで拡大します)

 

加工可能板厚例


*画像をクリックすると拡大します
鉄 0.3t〜16t 
ステンレス 0.3〜16t
※ 上記以外の材質の曲げ物も承っておりますので
   お気軽にご相談ください。

写真の曲げ物の板厚
内側から
SUS304 0.4t
SPHC 1.6t
A-1100 2.0t
ZAM(St) 3.2t
SPCC 4.5t
SUS304 6.0t
SUS304 9.0t
SS400 12.0t

 

ブランク材の切断




NCTタレットパンチライン(加工範囲1219×5000) やコイルレベラープレスラインで長尺物のブランク材(st=3.2t SUS=2.0tまで) を自社で加工することが出来ます。
※ (上記以上の板厚は都度お問い合わせください。)

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長尺物の曲げ

前項で述べたブランク材を曲げることにより長尺の製品の加工にも対応することが出来ます。

 

加工例

*※マークのある画像をクリックすると拡大します


SUS304 0.8t ※
 


SUS304  0.8t ※


SUS304 1.5t ※
 
SUS304 0.8t
 
SUS304 2.0t ※

 

溶接箇所の削減


曲げ加工を用いた設計変更で溶接箇所を削減することによりコストダウンをご提案できます。また、溶接箇所を減らすと、ワークにかかる熱量が少なくなるので、熱による歪が軽減されますので、特に板厚の薄い製品や、中厚の製品に有効です。


ST-6.0t ※
 


深曲げのサンプル


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曲げ加工によるプロトタイプ

*※マークのある画像をクリックすると拡大します


1.SUS304 3.0t no.1 ※
 


曲げ一体箱の曲げ ※

 

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